相続トラブルはどの家族でも起こりうる
よく、「うちの家族は中が良いから相続トラブルは起こらない」とおっしゃっている方とお話をする機会があります。しかし、仲が良い≠トラブルが起こらないが実際のところです。
ではなぜトラブルに発展するのでしょうか?ここから、仲が良くてもトラブルになってしまう根本的な原因をご紹介します。
相続人以外からのささやき
ある相続人が、「兄弟皆平等に相続したらいいじゃないか」と思っていても、その方の奥さんからあることを言われトラブルになるケースが非常に多いです。
「うちは子供がいるから将来のことを考えて多くもらってきなさい!」
このようなことを言われ、無理やり理由をつけて相続分を増やそうとし、トラブルになることがあります。
今まで仲の良かった兄弟からは、「金が絡むと人が変わった」と言われるようになり、非常に仲が悪くなってしまうご家族も多い印象です。
10年前に〇〇円もらっていたじゃん!
故人の生前のことも引き合いに出されます。「故人が生前に大学の学費を出していた」だとか、「結婚式の費用を肩代わりしてもらっていた」などです。
兄弟姉妹間では、ほかの兄弟とは劣後した待遇を受けていたという記憶は、忘れることがありません。この不平等感が相続の話し合い時に爆発してしまい、相続を期に仲が悪くなってしまうことがあります。
納得していないけど・・・
相続の話し合いが終わってからトラブルになるケースもあります。話し合いの中では「はいはい」と言っていたけれども、本当はその内容に納得をしていなかったといったというものです。
「長男だから」や「長女だから」といった身分を根拠に相続分を多くする交渉をした場合、このようなケースが現れる傾向にあります。自分ではどうしようもないことで相続できる金額が決まってしまったらそう感じてしまう方も多いのです。
生前からの対策でトラブルを回避できる!
相続の話し合いでトラブルになるのは、いきなり相続人同士の利益を主張していると感じるからに尽きます。
生前にいくらもらってたとか、長男だからとか・・・
突然他の相続人から言われても、反発する気持ちを持ってしまうのも当然です。言われた側からすれば、主張している人の都合だけで話されていると感じるからです。
しかし、故人が「相続はこのようにしてほしい」と言っていたらどうでしょう。本人が言っているならそうしようと考える方がほとんどです。相続人である兄弟が言っているのと、故人が言っているのではその言葉の意味が違って感じるのです。
では、生前に何をしたらよいのか。
遺言です。
遺言を残すことで相続の割合を変更したり、この建物は長男、この土地は次男という風に個々の相続財産の相続先を決めることもできます。また、財産の相続先を決めたりする以外にも、「付言」を記すこともできます。付言は相続先を決めたりするのとは違い、法的拘束力はありませんが、故人の気持ちや願いを記すことができます。
「生前妻にはとても世話になった。遺産分割協議の際は私の気持ちを汲んでもらいたい。」
というようなことを書いておくことで故人の意向に沿って遺産分割をしようと合意し、トラブルを回避する一つの手段ともなります。
遺言の基本的な書き方はこちらをご覧ください。また、不動産などを遺言に記載するときの注意点はこちらをご確認ください。
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著者紹介
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代表行政書士
中田 丞哉
Nakata Shoya
札幌市出身。日本大学法学部卒業。塾講師、大手行政書士事務所での勤務を経て事務所を開設。建設業許可申請、契約書作成、遺言・相続関係業務を幅広い人脈でサポートする。
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